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表彰された武田美結さん=2024年12月3日、船橋東署、芹沢みなほ撮影

 「大切な命を守る」全国中学・高校生作文コンクール(警察庁主催、内閣府、文部科学省など後援)で、千葉県船橋市立二宮中学校の武田美結さん(14)が、警察庁長官官房犯罪被害者等施策推進課長賞に選ばれた。表彰式が今月3日、船橋東署であった。

 コンクールには全国から高校生の部に6009点、中学生の部に6481点の応募があり、県内の中学生の受賞は4年ぶりだという。

 武田さんは今年4月、2016年に息子の謙真さん(当時7)を交通事故で亡くした高田香さんによる講演「命の大切さを学ぶ教室」を聴く機会があった。そのときに感じたことを作文にした。

 タイトルは「大切な人を失わないために」。

 自らの登下校時に感じる危険箇所を考えながら、家族を含め、誰もが被害者、加害者になる可能性があることなどを自分目線で書いた。

 亡くなった謙真さんと自身の幼い妹を重ねて、文章を考案。配達の仕事でトラックを毎日運転する父に、運転中どんなことに気をつけているかを聞いて参考にもした。

 武田さんは「賞をもらえると思っていなかったからうれしい。講演を聴いて事故を身近に感じることで、普段から気をつけて歩こうと意識するようになった」と語った。また、「一人ひとりが声を上げて、事故を減らしたい」と決意も語った。

 同署の富田守警務課長は「(事故を減らすと)武田さんが言った通りになることを目指す」とたたえた。

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